スポーツ外傷について
スポーツ外傷は、プレー中の転倒や衝突など1回の外圧による捻挫や打撲、骨折、脱臼、肉離れ、腱断裂、靭帯・半月板損傷などのケガです。当院では、さまざまなスポーツ種目についての運動内容や外傷の特殊性を理解した上で、スポーツ整形外科専門医による総合的な診断と治療、再発防止の指導、早期復帰を目指したリハビリテーションを行っています。膝前十字靭帯損傷や半月板損傷など、思わぬプレー中のケガを負った際は、お越しください。
※当院の院長は、近畿日本鉄道の実業団ラグビーチーム
「近鉄ライナーズ」のチームドクターを務めております。
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膝関節障害について
膝前十字靱帯損傷とは
膝前十字靱帯損傷は、大腿骨と脛骨をつないでいる前十字靱帯(ぜんじゅうじじんたい)を膝の内側に捻ったり、人と衝突したりして断裂すると、力が入らず歩くことが出来なくなり、数時間で膝が曲げられなくなります。これは膝の関節内に切れた靭帯から出た血液が充満するためで、膝を曲げようとすると、お皿の上側や膝の裏側に強い痛みや圧迫感を生じるためです。受傷後2~3週間くらいは、膝の痛みと可動域制限がありますが、その後はなくなり、日常生活にも支障はありません。しかし、損傷部位によっては下り坂やひねり動作の際に、膝の不安定感がはっきりと感じられます。このまま放置すると、半月板損傷や軟骨損傷などが生じやすくなり、慢性的な痛みや腫れ(水腫)につながることもありますので、早期の治療をおすすめしています。
膝前十字靭帯損傷の治療
受傷直後はRICE処置を行い、速やかにお越しください。多くの場合、膝の中に血液が溜まっていますので、関節に針を刺して血液を取り除きます。当面の間、断裂部の出血は続きますが、日に日に出血量は減っていきます。また、ギプスなどによる固定は行わず損傷に合わせたサポーター固定などを行うことで筋力低下を予防し、併せて可動域訓練を行います。この間に検査で合併損傷の有無を判定し、手術療法か保存療法のいずれを行うか決定します。手術を行う場合でも、可動域や筋力が完全に戻っていない1ヶ月以内の場合には、合併症を起こすことがあり、膝機能の回復を優先する必要があります。
RICE処置:「4つの必要な処置」の頭文字をとって名づけられた外傷時の応急手当ての方法です。患部の出血や腫脹、疼痛を防ぐことを目的に、患肢や患部を安静(Rest)にして氷で冷却(Icing)、弾性包帯やテーピングで圧迫(Compression)を行った後、患肢を挙上する(Elevation)ことを基本とした応急処置法です。